台風一過でございます!
2014.10.07 (Tue) 更新
台風はどうやって発生するの?
それでは台風発生のメカニズムについて順を追ってみていきます。
- 熱帯などの海域では、太陽の強い日射により海水温が高くなっています。この暖かい海域に接した大気は、気温が上昇すると同時に海面から多量の水蒸気の補給を受け、大気の状態が次第に不安定になります(図1)。
- 太平洋高気圧におおわれた海域の大部分では安定成層となっており、下層が不安定でも強い上昇流は生じません。しかし太平洋高気圧から吹き出す北東貿易風と赤道越えの南東貿易風などが集まる低緯度の熱帯収束帯付近の所々では、下層の不安定な空気が収束し(集まり)、強い上昇流を生じます(図2)。
- 多量の水蒸気を含んだ下層の空気はこの上昇流によって上空に運ばれ凝結し、多数の積乱雲などが発生します(図2)。これらの雲は集まって、雲のかたまり(クラウド・クラスター)を形成する場合があります。
- この雲のかたまりができる時に出る多量の凝結熱が上空を暖めて気圧を下げ、熱帯低気圧が形成される場合があります(図3)。
- この低気圧の中心に向かって周囲の高温多湿の下層大気が反時計回りに吹き込み(図4)、上昇流となって、多数の積乱雲などを生成します。
さらに4と5のサイクルが繰り返される場合は、熱帯低気圧が明瞭となり雲も組織化され、台風が発生するのです。
ところで、図4のようにどうして風は反時計回りに吹き込むのでしょうか?北半球で低気圧中心の周りを反時計回りに気流が回転するのは、地球の自転によって生じるコリオリ力と呼ばれる力が作用するためです。また「吹き込む」のは地球表面の凹凸により風が減速される影響のためです。コリオリ力は赤道上では働かないので、赤道付近で台風は発生しません。